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神戸地方裁判所 昭和55年(ヨ)316号 決定 1980年8月08日

債権者

細見陽太郎

右代理人弁護士

野田底吾

債務者

社団法人兵庫県トラック協会

右代表者理事

大橋実次

右代理人弁護士

奥村孝

石丸鉄太郎

鎌田哲夫

主文

一、債務者が昭和五五年三月一四日債権者に対してなした休職処分の効力を仮に停止する。

二、債務者は、債権者に対し金三八万一六〇〇円及び昭和五五年六月以降毎月二〇日限り金一三万二五〇〇円を仮に支払え。

三、申請費用は債務者の負担とする。

事実

第一当事者の求める裁判

一  債権者

主文同旨の裁判

二  債務者

1  債権者の仮処分申請を却下する。

2  申請費用は債権者の負担とする。

との裁判

第二当事者の主張

一  申請の理由

1  当事者

(一) 債務者は、兵庫県下に事業所をもつ貨物自動車運送事業の適正な運営及び公正な競争を確保するとともに、会員相互の連絡協調を緊密にすることを目的として設立された社団法人であって、約二〇名の従業員を有する。

(二) 債権者は、昭和四八年四月債務者の職員として採用され、今日に至ったものである。

2  休職処分

(一) 債務者は昭和五五年三月四(ママ)日債権者に対し、同月五日から神戸簡易裁判所に係属する債権者を被告人とする傷害事件の終結に至るまで無給休職にする旨の命令書を交付し、その後一切の賃金の支給をしない。

(二) 右の休職処分の意思表示(以下「本件休職処分」という)は無効である。

3  給与

債権者の賃金は、本件休職処分当時一三万二五〇〇円であり、賃金支払方法は各月分を同月二〇日に払うものとされている。

4  必要性

債権者は、債務者から支給される賃金のみによって生活していたものであるところ、昭和五五年三月分以降(但し三月分のうち一万五九〇〇円の支払を受けた)の賃金を受取っていないので、毎日の生活に窮しており、本案判決の確定を待っていたのでは回復し難い損害を蒙る。

5  よって債権者は、本件休職処分の効力の仮の停止と、昭和五五年三月ないし五月分の賃金(前記一万五九〇〇円を除く)合計三八万一六〇〇円及び同年六月分以降毎月二〇日限り金一三万二五〇〇円を仮に支払うことを求める。

二  申請の理由に対する答弁

1  申請の理由中1の(一)の事実及び債権者が債務者の従業員であって、昭和五五年三月四日債務者が債権者に対し起訴されたことを理由とする休職の意思表示をなしたことを認める。

2  保全の必要性について争う。神戸簡易裁判所における債権者に対する傷害被告事件の審理は、ほぼ実質審理を終了し、判決も遠くない段階にあるから、裁判終了まで休職措置がとられても、債権者にはさほどの不利益は生じない。

三  抗弁

1  本件休職処分は、債権者が同僚に対する傷害事件により起訴されたという事実に基き、懲戒とは関係せず、就業規則第二一条、二二条を適用してなした適法な処分である。

2  債務者が、本件休職処分をなした実質的根拠は次のとおりである。

(一) 職場秩序について

債権者は、職場内で、同僚に暴力を振って傷害を負わせたとして起訴されているものであり、その終局的認定は裁判所に任されるべきものであるが、起訴されたことは、それが事実であることの蓋然性が高いものである。また微罪として起訴猶予になる余地のないことも明らかになった。しかも、事件の内容は一方的に債権者が暴力を振った事案である。以上の点からみれば、このまま債権者を就労させれば、職員総数二〇名余の少人数の職場である債務者の職場秩序は、著しく混乱することが明らかである。

現にこのように起訴されながら、債権者がその事実をひた隠しにしてきたために、職員間における債権者に対する不信感はますます増大している。

また債権者も起訴されたことにより一層同僚と口をきかなくなり、直近の上司にも話をしない状態となっていたもので、このまま債権者を就労させることは、その点からも業務の円滑な遂行を妨げる。

(二) 対外的信用について

債務者は、約一二〇〇名の利害得失を異にする会員相互間の調和を図り、その会員らにサービスを提供する公益法人であって、その債務者の職員の中に同僚に暴力を振ったとして起訴された者がいるのに、債務者が何らの措置も講じ得ないとすれば、債務者に対する会員の信用は失墜することになる。

3  前記の本件休職処分の根拠たる債務者に生ずる影響については、それが現実化したことは必要でなく、起訴された罪名、内容、債務者の団体としての目的、性格及び規模、債権者の担当としていた職務等を総合的に考察して、その蓋然性が認められれば足りるというべきである。

よって本件休職処分は相当である。

四  抗弁に対する債権者の主張

1  本件休職処分に至る経過

(一) 債権者は、昭和五三年三月、県下の陸上貨物運送事業者のもとで働く労働者を中心に結成された運輸一般労働組合兵庫地方本部神戸支部(以下「運輸一般労組」という)に加盟し、現在同労組兵庫県トラック協会分会の組合員である。

(二) 債務者は、陸上貨物運送事業者の為の団体であるところ、その職員の中にこれと対立関係に立つ運輸一般労組の組合員が誕生したことに責任を感じ、以来債権者を故意に変人扱いして他の職員から孤立させ、解雇の機会をうかがってきた。

(三) 昭和五四年四月六日昼休み、債権者は、債務者建物三階小会議室において、高校野球をテレビで観戦しようとしたところ、隣接した大会議室との間のドアが開放されており、大会議室で卓球をしていた申請外山崎誉子(以下単に「山崎」という)ほか女子職員三名の声が伝わり、落着いてテレビを見ることができないため、債権者はドアを閉めようとした。すると、山崎が「卓球しながらテレビを見るから開けといて」と言いながらドアを閉めさせまいとした。そこで債権者は「卓球するか、テレビを見るかどちらかにしてくれ」と言い返したところ、山崎は卓球台の方に戻ったので、債権者は再びドアを閉めようとした。ところが又も山崎がドアを閉めさせまいと扉を押えたので、債権者が強くドアを閉めたところ、そのはずみに山崎は小会議室の絨毯敷の床の上に尻餅をついた。すると山崎は、やにわに大声で「暴力だ、暴力だ、警察を呼んで」とヒステリックに叫び始め、その後債権者を傷害罪で告訴した。

(四) 右の事件につき、債権者は傷害罪の被疑者として取調べを受け、担当検察官より罰金の略式手続で処理するとの内示を受けたが、債権者としては、被疑事実自体に納得がいかなかったので、これを受け入れなかったところ、昭和五五年一月三一日神戸簡易裁判所に傷害罪で起訴(以下「本件起訴」ということがある)され、現在公判係属中である。

(五) 債権者が、同年三月三日債務者に対して、運輸一般労組からの春闘要求についての団交要求をしたところ、債務者はこれを回避するために、起訴休職に名を借りて本件休職処分をかけてきた。

2  処分の無効性

(一) 就業規則の内容は、法令や労働協約に反することが許されないのはもとより、合理性の認められるものでなければならない。

(二) 債務者の就業規則第二一条の定める起訴休職制度は、同規則第七章の懲戒事由に起訴が挙げられていないことからも明らかなように、起訴という事実そのものを原因とする休職処分であって、懲戒制度とは異質の、違法性ないし責任性という価値評価を捨象した事実に基づく処分である。

したがって、起訴休職は、起訴の対象となった事件を直接的契機とするのではなく、起訴という事実そのものによって休職を命じなければならない合理性が必要であり、またその判断にあたっては起訴された者も有罪判決の確定まで無罪の推定を受ける法的立場にあることとの調和が図られなければならない。

(三)(1) 起訴休職の合理的根拠として通常説かれるのは次の三点である。すなわち、第一に企業の対外的信用の低下、第二に対内的に職場秩序の乱れ、第三に被告人が勾留などにより労務の提供が期待できなくなることによる経営上の支障という三点の将来の企業不利益の回避を目的とする。

(2) そこで本件休職処分について、この三点の有無を検討する。

(イ)対外的信用の低下について

本件起訴にかかる公訴事実は、前記の如き軽微な傷害事件であって、債務者の対外的信用を左右するものではない。

(ロ)職場秩序維持の必要性について

右のような公訴事実を前提とする限り、それによって他の従業員、役員の業務が妨害されたり、社内秩序が乱れるという具体的危険性は全くない。

(ハ)労務不提供による経営上の障害について

債権者は身柄を拘束されておらず、また求刑が罰金刑となることは明白であり、公判への出廷も月一回あるか否かであり、しかも一回が半日にとどまるから、起訴されたことによる債権者の労務不提供により債務者が蒙る損害は全く些細なものである。

(3) よって本件休職処分は、全く合理的根拠を欠く不当な処分であるから無効である。

(四) また前記のとおり、債権者は担当検察官より略式手続に応ずるよう打診されていたものであるが、仮に債権者がこれを受け入れていれば、債権者の罰金納入で既に終結しており、起訴休職などあり得ない筈である。にもかかわらず、債権者が無罪を主張し略式手続に応じなかったため、公訴提起がされたところ、債務者は本件休職処分を行ったものであり、これは債権者の裁判を受ける権利(憲法三七条)を踏みにじるものであって、著しく公序に反し無効である。

(五) 以上のとおり、本件起訴によって債務者に何らかの被害が及ぶことはおよそ考えられないのに、敢えて債務者が本件休職処分を行ったのは、債権者が運輸一般労組の組合員であって、現に債務者に対し団交を求めるなど積極的な活動をしたため、債権者を排除すべく起訴を奇貨として、不確定期限(債権者が無罪を主張して争い続ければ続けるだけ長期にわたり)の無給休職処分にし、債権者に債務者の従業員たる立場を諦めさせようとしたものである。

したがって、本件休職処分は不当労働行為として無効である。

理由

第一本件休職処分の効力について

一  経過

1  次の事実は、当事者間に争いがない。

債務者は、兵庫県下に事業所を持つ貨物自動車運送事業者の協調等を図ることを目的として設立された社団法人であって、約二〇名の従業員を有し、債権者は債務者の従業員であるが、債務者は、昭和五五年三月四日債権者に対し起訴されたことを理由とする休職の意思表示(本件休職処分)をした。

2  債権者提出にかかる疎明資料によれば次の事実が一応認められ、債務者は何らの疎明をせず、他にこの認定を左右するに足りる証拠はない。

(一) 債権者は、昭和四八年四月から債務者に雇用され、現在業務第二課に所属する職員であって管理職ではない。

(二) 債権者は、昭和五五年一月三一日、次の公訴事実について、傷害罪(刑法二〇四条)として神戸区検察庁から神戸簡易裁判所に起訴(公判請求)されその後審理が行われている。

「 公訴事実

被告人は、昭和五四年四月六日午後〇時二五分ころ、神戸市灘区大石東町二丁目四番二七号社団法人兵庫県トラック協会三階小研修室において、山崎誉子(当四一年)に対し、閉めようとした同室のドアを同女から開けておいてくれといわれたことから口論の末、その胸部を手で強く突いて同女の頭部、背部等を付近の壁に打ち当てて転倒させ、よって同女に加療約五週間を要する頸、腰部挫傷、左臀部打撲傷、外傷性頸部症候群の傷害を負わせたものである。」

(三) 右被疑事実については、昭和五四年四月六日山崎が、債権者から突きとばされたとして警察に電話連絡した結果、同年五月二日ころ、債務者建物三階大研修室、小研修室等において警察の実況見分が行われている。

また、事件当日、現場付近には、債権者、山崎のほか債務者職員三名がいたが、そのうち少くとも申請外山戸幸子、同三好真理子は債権者が山崎に対して暴行をふるったことを目撃していない。

(四) 債務者には、職員の労働組合はなく、債権者のみが運輸一般労組に加入しているところ、山崎は日頃から債権者と必ずしも仲がよくなかった。

(五) 昭和五五年三月四日、債務者が債権者に対し交付した休職命令書の内容は、「就業規則第二一条二号の規定により、昭和五五年三月五日から、現在神戸簡易裁判所にて係属中の傷害事件終結に至るまでの間休職を命ずる。休職期間中は就業規則第二二条二項の規定により給与は支給しない」というものである。

(六) 債務者の就業規則(以下単に「就業規則」という)には別紙「就業規則(抄)」のとおりの規定がある。

二  起訴休職制度について

1  前記認定のとおり、就業規則には別紙「就業規則(抄)」のとおりの規定があって、その第二一条では刑事事件に関し起訴されたときには、休職を命ずることができるものとしており、第二二条によればその場合の休職期間は、事件が裁判所に係属する間で、その間原則として給与を支給しないこととしていることが一応認められるところ、債権者が起訴され現に審理中であることも前記認定のとおりである。

2(一)  しかしながら、就業規則の右規定が、何らの合理的根拠を必要とせず起訴されたというその事実のみによって、休職処分に付すことができると定めていると解する場合には、休職処分が賃金請求権に影響を及ぼすほか労働者をその職場から一定期間放逐するという内容を持つことからいって、そのような規定は公序良俗違反として無効であるといわざるを得ない。

したがって、就業規則第二一条は、その文言にかかわらず、起訴された場合であってそのことにより企業運営に何らかの支障を及ぼすという合理的根拠がある場合は、使用者である債務者は当該職員を休職処分に付することができるという趣旨に解さなければならない。

(二)  そこで合理的根拠の有無について検討するのに、債務者は職場秩序の混乱と対外的信用の低下を主張するので前記認定をもとに以下この点について検討する。

(1) 職場秩序の混乱について

本件起訴は、職場内での傷害を公訴事実とするものであるから、職場外での事件を公訴事実とする場合に比較して職場秩序の混乱が生ずる可能性は高いと思われる。しかしながら本件休職処分は、あくまで起訴を理由とする休職処分であって懲戒処分ではないのであるから、職場秩序の混乱も、本件起訴に起因するものに限られなければならない。しかるに債務者の主張する職場秩序の混乱は、債権者が職場内で同僚に暴力を振ったからというものであって、本件起訴自体によるものではなく主張自体失当である。また債務者の主張が、右の傷害の事実が、わが国における有罪率の高さからみて、本件起訴により確実視されることになった結果職場に混乱が生じたということをいうものとしても、前記のとおり本件起訴にかかる公訴事実(以下単に「公訴事実」という)の内容は、昭和五四年四月六日の傷害ということであり、被害者も職員であり、現場付近には他の職員もいたのであるから、公訴事実についての職員の評価は、その時点で大方固まっていたものと思われ、約九カ月余たっての本件起訴の一事をもって、それが特段に変ったとは認め難い。ことに職場内で唯一の組合員という債権者の立場からみて本件起訴後債権者が引続き就労したとしても職場秩序が混乱するとは認め難く、何らこれを認めるに足りる証拠はない。

(2) 対外的信用について

債務者がある程度公的な業務を行っており、信用について一般の事業者に比べ注意を払わなければならないことは一応認められるが、公訴事実それ自体によっても、単に職場内で些細ないさかいがあって突いたところ倒れたというだけであって破廉恥罪などではなく、これをもって債務者の対外的信用を損うおそれは通常殆ど認められず、ことに債権者は、単なる一従業員にすぎないことを考慮すれば、特段の事情がない限り対外的信用を低下させるおそれはないというべきであって、右特段の事情を認めるに足りる証拠はない。

3  そうすると、本件休職処分は、何ら合理的根拠なく、起訴されたことのみによって、債権者に休職を命令したものであるから、就業規則の解釈を誤ったものとして無効であると一応認められる。

第二賃金請求権及び保全の必要性について

一  債権者提出の証拠によれば、債務者は賃金を月給制(計算期間は当月一日から末日まで)で毎月二〇日に支給しており、債権者の場合は、本件休職処分当時において本給一二万九五〇〇円、居住手当三〇〇〇円を支給されていたもので、昭和五五年三月分として、右金額の合計額の二五分の三の一万五九〇〇円を支給(但し社会保険料、地方税等を控除)されていることが一応認められる。

二  債権者が専ら債務者から支給される賃金で生活していたこと及び債務者が昭和五五年三月分(但し前記一万五九〇〇円を除く)以降の賃金を支給しないことについては、債務者は明らかにこれを争わないので自白したものと認める。そうすると、債権者が日日の生活に窮し、本案判決の確定を待っていては回復し難い著しい損害を蒙ることが一応認められる。

なお、債務者は本件起訴にかかる傷害被告事件は判決が遠くない段階にあることを主張するが、このことだけで前記の認定を左右することはできない。

第三結論

よって、本件休職処分の効力の仮の停止と、昭和五五年三月分以降同年五月まで三カ月分の賃金合計三九万七五〇〇円から既に支給された一万五九〇〇円を除いた三八万一六〇〇円と、同年六月以降毎月二〇日限り金一三万二五〇〇円の仮の支払を求める債権者の本件仮処分申請は、すべて相当と認められるので、保証を立てさせないでこれを認容し、申請費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり決定する。

(裁判官 富川照雄)

別紙 就業規則(抄)

第四章 服務規律

(服務の基本)

第一九条 職員は、協会存立の目的及び使命を体し、規律を重んじ秩序を保つほか法令及び諸規程に従い、誠実勤勉を旨として職務に専念しなければならない。

(服務心得)

第二〇条 職員は、次の事項を守らなければならない。

(1) 職員は、その職務につき上司の命に従うこと

(2) 自己の職務を正確かつ迅速に処理すること

(3) 協会の信用または公私を問わず職員としての体面を傷つける言動をしないこと

(4) 協会の業務上の機密事項及び協会の不利益となる事項を他に洩らさないこと

(5) 許可なく服務以外の目的に協会の施設、物品を使用しないこと

(6) 職務に関し濫りに他人の響応を受けもしくは金品を借用し、または贈与を受けないこと

第五章 休職

(休職)

第二一条 職員が次の各号の一に該当するときは、休職を命ずることができる。

(1) 業務外の傷病により欠勤が引続き三カ月に及んだとき

(但書省略)

(2) 刑事事件に関し起訴されたとき

(3) その他特別の事由があって休職させることが適当と認められるとき

第二二条 前条による休職期間は、次のとおりとする。

(1) 前条第一号の場合 省略

(2) 前条第二号の場合 事件が裁判所に係属する期間

(3) 省略

2 前項の期間中は原則として給与は支給しない。

ただし、事情によってはその全額または一部を支給することができる。

3 省略

第七章 表彰及び懲戒

(懲戒)

第三〇条 職員が次の各号の一に該当する場合は、懲戒審査委員会の議を経て、次条の区分に従い懲戒処分に処する。

(1) 前第四章に定める服務規律に違反したとき

(2) 故意または重大な過失により、災害事故を起しまたは協会の設備器具を破損する等協会に損害を与えたとき

(3) 故意に業務の能率を阻害し、または業務を怠ったとき

(4) 正当な事由なく無断欠勤一四日に及んだとき

(5) 協会の機密を洩らし、または信用を傷つけたとき

(6) 勤務時間中に許可なくしばしば自己の職場を離脱したとき

(7) 許可なく在職のまま他に雇用されたとき

(8) 業務上の指揮命令に違反し、不当に反抗しない(ママ)とき

(9) 許可なく協会の物品を持ち出したとき

(10) その他前各号に準ずる不都合な行為があったとき

(懲戒の種類)

第三一条 懲戒は次の区分により行なう。

(1)譴責 始末書をとり将来を戒める。

(2)減給 一回の額が一賃金支払期における賃金総額の一〇分の一以内で行なう

(3)出勤停止 七日以内出勤を停止し、その期間中の賃金は支払わない。

(4)懲戒解雇 予告期間を設けないで即時解雇する。この場合行政官庁の認定を得たときは解雇の予告手当は支給しない

(懲戒審査委員会)

第三二条 懲戒にかかる事項については、懲戒審査委員会において審査し、懲戒審査委員会の規程は別に定める。

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